古玉再考 その4 : ヤシカ ヤシノンDS 50ミリf1.9

M42のネジマウント仕様のレンズです。なんとも冴えない外観...(-_-;)
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レンズ後部の白い輪は紙で作ったシムです。マウントアダプターの厚みが少し
不足したため 調整用に1枚入れました。

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レンズ後端はマウントから少し突き出しています。このレンズが登場したのは
今から50年以上前の1960年代だと思われますが、当時の設計では、
一眼レフのミラーボックスに起因するフランジバックの長さは、
光学設計者にとって頭の痛いものだったのでしょう、
ギリギリの設計といった苦悩が伺えるようです。

このレンズは 同時期のペンタックスのM42マウントレンズと違って
絞り込みのための機構が、レンズから突き出しているピンだけとなっています。
ペンタックスのレンズならば 手動で絞り込むためのレバーがあるのですが...

なので このピンを押し込む機構を搭載したマウントアダプターでないと
常に開放絞りで撮影しなければなりません。

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ということでeBayから「ピン押し機能つき」のM42→ソニーEマウント アダプタを購入。
ネジマウントの内側に更に円盤が見えますが、これがピンを押すフランジです。


中古で入手したためもあって、外観はくたびれて、ヘリコイドはグリス切れでスカスカ。
同じ頃のペンタックスのタクマーレンズは、50年以上たった今でも外観美麗で
ヘリコイドの感触が良好なものが多く、この点ではヤシカのレンズは手を抜いた鏡胴です。
ピントリングのゴム帯も緩んでいました。

さて 「ボロをまとった」このレンズ 写りはどのようなものか...?
最短撮影距離50cm付近で撮影してみます。 まず絞り開放 ↓
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ハロが多く ふわふわです。絞り込めるマウントアダプターを持たなかった頃は
この絞り開放だけの撮影しかできなかったので、
「やっぱり500円で手に入れたレンズはこんなものか....」とがっかりして
その後10年ほど防湿庫の奥深く 放置されていました。

で、絞り込めるマウントアダプターとソニーα7を入手してから 再評価してみると...
絞りF2.8では ↓

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ずっと画像が締まってきます。でも まだハロと甘さが残っています。
花の撮影にはこれでいいかも。。。

続いて F4では ↓
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コントラストと解像力が向上し、個人的には十分使える描写力となりました。

さらにもう一段絞ってみます。F5.6 ↓
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わずかですが 更に描写は向上します。
絞り開放から F5.6まで背景のボケ方は穏やかで、目障りな点はありません。

以下は一般撮影にての描写、絞りはF4に固定しました、カメラはソニーα7IIです。
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花を撮るのにはなかなか具合がいいレンズだと感じます。前後のボケがなだらかで
合焦部分とボケの境界に「唐突感」がありません。

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2mほど離れた反射棒?にピントをあわせていますが、道路の描写が
手前から奥まで なだらかに変化しています。キレキレ描写のレンズだと
合焦部分だけが前後から遊離して「書割」のように写ったりしますが
このレンズは前後のつながりがとてもスムースです。

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タイル張りの建物の目地を観察すると レンズの描写が周辺で緩んでいるかどうか
一目瞭然ですが、このレンズはF4では周辺まで良好な状態を保っています。

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背景がうるさくなるようなボケではありません。

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何の変哲もない安価なレンズですが「色がしっかり出る」印象を受けます。夕暮時の
日陰でこれだけ写れば申し分ありません。合焦部分と前後のつながりも自然です。

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夕暮れのフラットな光線状態なのですが、駐車禁止棒?の質感や色合いは
なかなか良好に描出されています。
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スナップに使った場合 見かけの被写界深度が深い印象を受けます。ピントは「&」に合わせてあるのです。
ピントが先鋭(ピーキー)ではなくて穏やか(ブロード)に来る印象です。
その為 ピントの山はすこし掴みにくい印象を受けました。


解像感は絞りに依って大きく変化して、F4からは自分には十分な性能です。
キレキレの描写のレンズも好きですが、このように穏やかに解像する
どっしりとした描写のレンズも、自分の好みに合います。
古いライツのレンズと共通する味を感じます。

高性能ではないですが自分には「好性能」のレンズです。

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by hirosalgadou | 2017-11-18 06:00 | レンズ | Comments(0)

撮影機材好きおじさんの独り言です。


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