古玉再考 その5 : ペンタックス スーパータクマー35ミリF3.5

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1960年代の広角レンズです。M42 スクリューマウント。
ペンタックスの広角レンズとしては比較的早い時期に誕生し、
割合長い間供給されていました(このレンズは単相コーティングですが、
その後マルチコート化されました)。

とても小柄なレンズで、標準レンズの55ミリとほとんど大きさに違いはありません。
重量は149g、軽いのですが 外観が小さくて金属製なので
手に持つと「ずっしり感」があります。
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レトロフォーカスタイプの光学系ですが、4群5枚のとても簡素な構成です。
明るさがF3.5と小口径のため、前玉も小さい方ですが、後玉は更に小さいです。

最短撮影距離は45cm、あまり寄れません。レトロフォーカスタイプは
近接撮影で結像性能が低下しますので、それを設計者が嫌ったのかも
しれません。50年以上前のレンズですので無理なからぬところです。


先般のヤシノンとは異なり、今手にとって見ても外観のくたびれ感は
全くありません。ヘリコードもスムースです。全金属製の鏡胴は
昨今のプラスチック外観のAFレンズより よほど高級感があります。

絞り羽根は5枚で この点はいささか簡略な設計です。
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さて 写りは...
長い年月を経たレンズなので、個体差も否定できませんので「このレンズ」に
限定した評価と 致します。

絞り開放F3.5では それほど褒められた描写性能ではありません。
中心部はなんとか、中間部から周辺にかけては像の緩みが目につきます。

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↑ 中心部

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周辺部

F5.6に絞ると ぐっと改善しますが、まだ周辺部に緩み少々。
F8では周辺部まで実用可能な描写となります。
解像力については あまり突出した性能を感じないレンズです。
1960年代のレトロフォーカスタイプのレンズとしては仕方ないのかも。
当時のフィルムの要求性能は満たしていると思いますが。。。

あまり 褒めてないですね(-_-;)
でも このレンズ良いところもあるんです。

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レトロフォーカスタイプのレンズにありがちな樽型歪曲がとても良好に
補正されているんです、完璧じゃないですが。

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また露出を1/3段ほど切り詰めるだけで 空の青がとても深く
表現されます。コントラストも高いです。


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メタリックな質感はよく描写します。

解像力で魅せるレンズではなくて、コントラストと発色に取り柄がある
レンズだと思います。ツアイスと似ている?
ツアイスがヤシカと組む前に、ペンタックスに提携を打診したという
話がありますが、レンズの描写傾向を見ると共通したものを
感じたのかもしれません。






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Commented by 大坂 at 2017-12-04 23:04 x
ご機嫌よう ブックマークしたペイジをふと見に行けば存在しませんのエラー表示が。訃報も頭をよぎりました(マジです)。

タクマー35/3.5の地味さオートニッコールの28mm/3.5に通ずるものを感じます。ちなみにRFとFマウントでは28mmは10倍くらい中古値が違いますねえ。マニアていやね^^;
Commented by hirosalgadou at 2017-12-06 12:41
大坂さん ごきげんよう。これは お手数かけましたm(_ _)m

確かにニッコールの28/3.5も地味ですね。あっちのほうがシャープさでは上かも。
RF用のニッコールは別の光学系ね。全般にRF用の古レンズは値段高いですね。マニアって...(ry
by hirosalgadou | 2017-11-26 22:10 | レンズ | Comments(2)

撮影機材好きおじさんの独り言です。


by hirosalgadou